当院には遠くから汗管腫治療を目的にご来院される患者様が少なくありません。
それは次のような問題点が存在するからです。
問題点
①どこに相談したらいいかわからない。
②皮膚科に相談しても「(どこに行っても)治療は出来ない・気にするな・治療してもどうせ再発する」
と言われてしまってそれ以来諦めている。
③美容外科等ではLaser治療主体で自費診療となり高額になってしまう。
④Laser治療の跡が目立つことがある。
特に残念なのは②です。②のような説明される先生方(ごく一部と思いますが)には
「皮膚科的には治療しない・できないけれど、形成外科では行っていると伝えていただけませんか?」
「ご自身の家族が汗管腫で悩んでいても気にするなと言えますか?」
「再発例は無いわけではありません(当院では数%)が、一生そのままで良いと言えますか?」
と、話す機会があれば質問したいと常々思っています。
鑑別診断(汗管腫に似ているが別の疾患)
顔に出来る小さなプツプツは汗管腫以外にも生じます。
①脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
脂漏性角化症は厚くなったシミのようなものですので、茶色を呈していれば見分けが付きますが、色のない脂漏性角化症もあります。一見見分けつきにくいですが触るとザラッとしています。治療は液体窒素や切除、自費治療になりますがLASERもあります。
② 脂腺腫(脂腺増殖症)
スライドで赤い点の下にある白い2つの小隆起が脂腺腫です。中年男性に多い傾向があります。通常、汗管腫より大きく3-5mm大の円形で、周囲より黄白だったり、中央部がへそのように凹んでいたら脂腺腫の可能性大です。また汗管腫は目周囲に出来やすいのに対し、スライドのようにおでこや頬などが好発部位です。治療は切除です。
③ 稗粒腫(はいりゅうしゅ)
稗粒腫は文字通り「稗(ひえ) 」のように1mmの白〜肌色の少腫瘤です。一見白ニキビに見えますが、ニキビと違ってずっとそのままです。顔中に出来ますが下眼瞼も好発部位です。汗管種と合併することもしばしば認めます。治療は押し出しです。
当院汗管腫治療
①保険診療で行っています。手術代:約5,000〜26,000円 範囲・個数で異なります。
②Laserは用いず、切除を行います。
③きれいな結果を得るため、複数回の治療を要します。
④きれいな結果を得るため、術後に高濃度ビタミンCローションをお勧めしています。